05.12.09:39
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03.04.20:52
クレイ爺
先日、広島に行った時の話。
この日時間があったので、昔住んでた街を訪れる事にした。
俗に言う自分探し(笑)
懐かしいなあと思いながら、昔いた小学校の前に着いた。
そこで校門とか校舎の様子をバシバシ写真撮って
(これも一歩間違えれば不審者っぽいが)
さあ戻ろうとした時、そこで事件は起きる。
小学校に背を向けて元来た道を戻りだすと、いかにもイカれてるジジイが近づいく。
天然スキンヘッド、ヒゲモジャ、スタジアムジャケットに、ゴアの「不都合な真実」
など数冊の本を小脇に抱えているという怪しさ満点のスタイル。
役所にやって来る奴で、こんなのがよくいるから、見た瞬間おもわず視線を外す。
そのまま歩いてると、やはり声をかけられる。
「こんにちは。何しとるんですか?」
それはこっちのセリフだと思ったが、先入観は良くない。
もしかしたら、人懐っこいジイサンなだけなのかもしれない。
まあでもどの道知らない人とあんまり話したくないので、
「いや、昔通ってた小学校を見に…」などと普通に話し、適当に
切り上げて帰ろうと思った。
しか~し、このジジイ。今となっては何の目的かはわからないがやたら
会話を続けようとする。一方俺は早く切り上げたい。
適当に返事してた結果、俺は広島修道大学に通う3回生という設定になってた。
そして「お近づきのしるしに…」(←?)とおもむろにでん六豆の袋を取り出し、
(コレ↓)
歯でこじ開けて「全部はやらんでw」とか言いながら俺にくれようとした。
マジで全部どころか1粒もいらんかったので断ったが、あまりにもしつこいので
結局手のひらにザザッとでん六をのせられた。
で、手のひらの分が俺の取り分かと思いきや、「それはワシが食う分じゃ」
と言う。どうやら袋の中の残り分が俺の分らしい。
(意味不明や、どっもいらんわw)と思って笑ったら、でん六豆が1粒コロコロ
道に転がってしまった。それをジジイが「おいおい~落とすな」と追いかけて
ひょいパク。思わず「え!?それ食べるんすか。」とツッこんでしまった。
そいつはしゃべってる内容も滑舌も意味不明で、たまに聞き取れる内容と言えば
「東大・京大は1日20時間勉強ばっかやっとるからイカれとる」、という根拠のない
妄言(こいつにだけは言われたくないという典型)や、平日の昼間っからブラブラしてる
くせにアツい政権批判など、失笑の笑いをこらえるのが大変なものばかり。
そして、トドメ「ワシは『ごしゃく』の出自」と言い出したので、「?」な顔をしてると
「知らんのか、その辺の市民とは違うけえの!(ドヤッ」と言う。
(え、もしかして公・侯・伯・子・男の五爵のことw?)
と思ってる所に「その昔は『無礼者!控えおろう!』とか言っとった身分じゃ(ドヤッ」
と来るので、思わず「ブフッ!」と吹き出してしまった。
ジジイは「な~にがおかしい!w」とかいろいろ言ってた気がするが、
そもそも男爵様の子孫ならそんなエキセントリックな風貌して平日の昼間から
こんなわけわからんこと言うか、バカ。
最初の「こいつはヤバい」という予想が、お手本のようなキチガイ発言集により確信に変わり、
ある意味驚きを通り越して笑えさえする。
「なんでこんな奴ばかり俺の周りには集まるのか。ここは役所か!?いや、違う。」
そろそろこのクレイジーな奴のパーティタイムにはおさらばしないとな、と思って帰り道に
目をやると一人の警官がこっちを見ている…
あれ!?このジジイもしかして日ごろからマークされてる(笑)?
そう思ってるとスッと警官が寄ってきて「どうかされました?」と俺に質問。
するとジジイの様子が激変!
「なんなんじゃ、おめえ!わしがなんかしたんかぁ!」
「人と話しょーただけじゃろぉ!!何がいけんのじゃ!」
デカイ声で「みなさ~ん!!この警官は私を差別しま~す!!」
警官「いや、文句あるとかじゃなくて少々お話をね…(呆れ顔)」
「ワシに文句あるから来とるんじゃろーがぁあ!」
会った瞬間からドン引はしてたものの、この瞬間さらにドン引き。
もうジジイがわめくわめく。普段からお巡りさんとバトルしてる様子が容易に思い浮かぶ。
しかし、わめく中でもこのクレイジーはエンタテイナー性を発揮。
泡食って警官にブチギレる際、勢い余ってさっきからバリボリやってた
でん六豆のかけらが飛び出し、警官の服に…
すると先ほどまでの100デシベルくらいのやかましい声から一転、ひそやかな声で
「ごめ~んネ」
とでん六豆をボロボロのマフラーでふき取る。
(緩急おりまぜるの止めいw!)とまたしても吹きそうになったが、
今度吹いたらおれにとばっちりきそうなので、何とか拳を握りしめる痛みで回避した。
その後わめく機械と化したジジイはお巡りによって連行された。
最後にお巡りさんに「そのでん六は…?」と聞かれたので、
「ついでに返しといてください」と渡した。
怪訝そうに「でん六豆 海味鮮」を見つめる警官の姿を
俺は当分忘れないだろう。
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